造船・海事・海洋産業は、脱炭素化、地政学リスク、サプライチェーン再編、デジタル化、海洋利用拡大といった大きな変化の中にあります。いま求められているのは、単なる技術開発ではなく、産業構造そのものを再設計し、次世代の海事・海洋社会を構想することです。
日本は世界有数の海洋国家でありながら、造船業をはじめとする海事産業は、国際競争の激化や人材不足など、多くの課題に直面しています。一方で、海洋エネルギー、海洋観測、次世代船舶、自律運航、海事DXなど、新たなフロンティアも急速に拡大しています。
横浜国立大学総合学術高等研究院造船海洋ルネサンス国際連携センター(SORIC)は、こうした時代認識のもと、「造船業の再生」と「海洋への挑戦」という2つの国家課題に対して、産学官・国際連携を基盤に取り組むために設立されました。SORICでは、船舶海洋工学を土台としながら、AI・ロボティクス・サイバーセキュリティ・エネルギー・国際政策・経営など、多様かつ最先端の知を統合し、海事・海洋産業の構造転換と新たな価値創出を推進します。

また、本センターは単なる研究拠点ではありません。神奈川・横浜という、産業・港湾・行政・研究機関が集積する海洋都市を舞台に、国内外の大学、研究機関、企業、政府機関との連携を通じて、未来の海事・海洋産業のあるべき姿を提示し、その実装までを見据えた活動を展開していきます。
私たちは、海事・海洋分野を単なる一産業ではなく、人類社会の持続可能性と安全保障を支える基盤システムであると考えています。SORICが、次世代の海洋社会を切り拓く知の結節点となり、世界に向けて新たな価値を発信していくことを目指します。その実現のためには、分野や立場を越えて、多様な知と人材が交わりながら、自由に議論し、挑戦し、ともに未来を構想していくことが不可欠です。海を舞台に、多様な知が交差しながら新たな海事・海洋社会を構想する場として、SORICを育んでいきたいと考えています。